将来の良好な雇用が製造業から生まれることはない

「私たちは今、移行期ではなく、断絶期にある。大国は経済統合を、関税を、金融インフラを、サプライチェーンを武器として利用し始めている。統合が従属の源泉となる時、相互利益という虚偽の中で生きることはできない」(カーニー氏)

「ルールに基づく国際秩序が宣伝文句通りに機能しているかのように持ち出すのはやめよう。大国同士が競争する世界において中間に位置する国々は選択を迫られている。大国の歓心を買うために互いに競い合うか、影響力のある第三の道を切り開くために連携するかだ」(同)

 日本だけでなく、多くの国がトランプ氏の歓心を買うために躍起になっている。

昨年10月、来日し、米海軍横須賀基地の原子力空母「ジョージ・ワシントン」にて演説するトランプ米大統領(右)と高市早苗首相(写真:共同通信社)

 米ハーバード・ジョン・F・ケネディ行政大学院のダニ・ロドリック教授(政治経済学)は1月14日、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)での講演で、製造業は雇用を増やさないため、サービス業の生産性を向上させる産業政策の重要性を強調した。

「確かなことが一つだけある。将来の良好な雇用が製造業から生まれることはない。世界中のすべての先進国で製造業の雇用は減少し続けている。バイデン政権はCHIPS法やインフレ抑制法で、トランプ氏は関税で雇用を増やそうとしたが、製造業の雇用は12人に1人程度」