京王電鉄が公開した新型通勤車両「2000系」
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京王電鉄は1月31日から新型通勤車両「2000系」の営業運転を始める。10両編成のうち5号車に大型フリースペースを備え、「全ての世代に優しい」車両を目指したという。運転開始を前に、1月17日にメディア向けの試乗会が開催された。これまでの車両とどのように違うのか。バリアフリーの取り組みにも詳しいジャーナリストの田中圭太郎氏が取材した。

(田中圭太郎:ジャーナリスト)

アンケート結果から大型フリースペース設置を決定

 新車の匂いがする車内を歩いていくと、10両編成の中央に位置する5号車に特徴的な空間が現れる。

2000系に設置された「ひだまりスペース」

「ひだまりスペース」と名付けられたこの空間は、1両のうち約半分が座席ではなくフリースペースになっている。中央の衝立はカーブするなどやや複雑な形状で、いたるところに手すりや腰当てクッションがある。

「車内の動線と機能性を考慮しました。手すりは低いところにもありますので、小さなお子様や、ベビーカーに座ったお子様も掴むことができます。車椅子のお客様には、横向きの手すりも掴んでいただけると思います。手すり以外にも、寄りかかることができるスペースもあります」(京王電鉄車両電気部車両企画担当の佐々木昌課長)

子どもから高齢者、車いす利用者などあらゆる乗客が掴みやすい手すりを検討した。写真人物は佐々木課長

「ひだまりスペース」は、京王電鉄としては初めて導入した大型フリースペースだ。新型車両を設計するにあたって、京王線を月に1度以上利用している1300人と社員800人にウェブでアンケートを実施。設問の中に大型フリースペースの導入について聞いたところ、希望する声が半数を超えていた。

 東京都の総人口が増え続けるなど、首都圏の鉄道は、人口減に悩む地方とは異なる環境に置かれているように見える。ただ、高齢者の増加という変化からは逃れられず、2030年ころには首都圏の人口もピークを迎えると予測されている。一方で少子化への対応として、子ども連れが利用しやすい車両の整備も求められる。

 2000系の開発では、ほかにも乗客が安全で快適に利用できる工夫を盛り込んだ。