電車での移動を敬遠していた層に乗ってもらいたい
「ひだまりスペース」が5号車にあるのは、京王線のほとんどの駅でホームの中央部にエレベーターがあるからだ。エレベーターから近い場所として5号車を選んだ。
京王電鉄ではこれまでも、駅などの安全性や利便性の向上に取り組んできた。ラグビーワールドカップ2019や、東京2020オリンピック・パラリンピックの会場に近い京王線飛田給駅では、2019年に大型エレベーターを増設したほか、ホームドアを新設。東京2020開催後も、京王線や京王井の頭線でホームドアの設置を進めるとともに、車両とホームの段差を縮小する工事を行っている。
取り組みはハード面だけではない。駅の係員や乗務員の全員が、ユニバーサルマナー検定の資格を取得している。これは高齢者や障害者、ベビーカー利用者、外国人など、多様な人たちと向き合うマインドとアクションを身につけているかを問うものだ。同社の資格取得者は500人以上に及ぶ。
また、視覚障害がある乗客への対応についても、日本盲導犬協会の協力のもとで学んでいる。2000系車両の全てのドアには、ドアが開いている間にチャイムが鳴る設備も導入した。今回の車両の開発には、乗客の減少などさまざまな背景があると佐々木課長が明かす。
「コロナ禍を経まして、乗降するお客様は減っています。回復はしてきているものの、コロナ前に比べると多少減っている状況です。車両部門としては、今までベビーカーを使ったお客様やシニアのお客様は、もしかしたら電車での移動を敬遠されていた可能性があると思っています。
そういうお客様に、安心してこの車両に乗ってもらいたいという思いも含めまして、大型フリースペースなどの設置にいたりました。初めて導入しましたので、お客様の反応を見てからになりますが、バリアフリーなどでは今後もしっかり対応していきたいと思っています」

2000系の営業運転開始は1月31日から。1月24日には一般向けのお披露目会のほか、撮影会や試乗会も予定されている。当初は10両1編成で運転し、2027年3月までに40両を導入する計画だ。列車の走行位置は京王アプリで確認できる。
2000系のような車両が少しずつでも増えていくことによって、誰でも気兼ねすることなく列車を利用できるようになるかもしれない。むしろそうした環境を作ることは、少子高齢化が進む中では本来あるべき姿ではないだろうか。







