もろ手を挙げてパンダを歓迎した日本人

 日本人はもろ手を挙げてパンダを歓迎した。その態度はベトナムやフィリピンとは大きく異なる。また朝鮮半島や台湾とも異なる。近隣諸国では、パンダは日本ほど歓迎されていない。

 日本人の多くがパンダを歓迎する理由は、歴史の中で日本が中国とほとんど交流してこなかったためだ。そう述べると、遣隋使、遣唐使の時代から交流があったとの反論もあろうが、それはごくごく表面上の付き合いに過ぎなかった。日本人は中国の実像を知らなかった。だから日中国交回復を喜び、パンダに沸いた。

 しかしそれから50年以上の月日が流れて、多くの人が中国に渡り、また多くの中国人が日本にやって来るようになると、日本人は少しずつ中国の実像を理解し始めた。それに伴って日本人の間に嫌中感情が広まった。

中国にとって日本は今も「東夷」?

 ベトナム人の多くは基本的に中国人に対して心を開かない。警戒を怠らない。そのような態度に出る最大の理由は、中国が常に周辺諸国を見下してきたためだ。「東夷西戎南蛮北狄」、これは中国人が周辺諸国に抱いている偽らざる感情である。常に上から目線なのだ。

 国交を回復した時点では、日本は先進国であり中国が途上国であったために、中国は日本を欧米と同等に扱った。しかし中国が米国と並ぶほどの大国になると、中国は日本を「東夷」とみるようになった。中華帝国と東夷は対等ではない。朝貢国の一つに過ぎない。それは中国が2000年以上も持ち続けてきた感情であり、いまさら変わることはない。日本も朝鮮半島やベトナム、フィリピンのように扱うべきだというのが中国の本心だろう。そのことは王毅外相の態度を見ていればよく分かる。

 日本と中国の歴史認識には大きな隔たりがある。中国が南京事件などを持ち出してきて語る歴史認識とは異なった歴史認識問題が存在する。

 前回「ベトナムに学ぶ中国との付き合い方」と題して、中国とは深く付き合うことなく淡々と接するほかないと書いたが、相手が見下した態度で接してくる以上、摩擦を起こさないためにはそうするしか方法がない。互恵平等の精神で付き合うことはできない。親中派は中国と周辺諸国との歴史をよく学ぶべきである。