中国の西海上の違法操業問題についても、魏室長は「中国側に漁民指導および取り締まり強化など改善措置を要請した」「今後も関連疎通を持続していく予定」と説明するのみだった。

 通常、外交で「共感を確認した」「努力する」「疎通を続ける」などのワーディングは協議に進展がない時に使用されるものとみなされている。李在明政権に対して友好的な韓国メディアからも、両国が懸案問題に対して「認識を交換するのに止まった」「異見の中で問題を解決しようということには共感した」等のあいまいな表現で進展がなかったということを認めた。

韓国からの要請、中国外交部の配布資料に記載もされず

 一方、韓国メディアによると、中国外交部が配布した首脳会談資料には朝鮮半島問題や限韓令、西海構造物、中国漁船の不法操業問題などについての内容は一言も言及されておらず、「抗日」と「台湾問題」、「米国覇権主義や保護主義に対する共同対応」などが核心キーワードとして登場したという。今回の首脳会談を眺める中国と韓国の見解の違いを示す部分だ。

 習主席は、冒頭発言で李在明大統領に対し、「歴史的に正しい側にちゃんと立ち、正しい戦略的選択をしなければならない」と要求したとされる。これについて韓国中央紙の『朝鮮日報』は、「歴史の正しい側」という表現は、中国政府や党機関紙などが両岸問題と関連して相手国に「中国の立場を尊重すること」を迫る時に使うワーディングだと分析した。

 さらに、中国の官営テレビ局・中国中央電視台(CCTV)は、公開発言の後に行われた非公開会談でも習主席が再び「互いの核心利益と重大な関心事に配慮し、対話と交渉を通じて異見を適切に解決しなければならない」と李大統領に要求し、李大統領は「韓国側は中国の核心利益と重大な憂慮を尊重し、一つの中国を堅持する」と明らかにしたと報道した。