コロンビア、メキシコ、キューバに警鐘
その戦略の成否が次に、西半球の残りの地域で影響力を行使する際に米国がどれほど野心的になるかを決めるかもしれない。潜在的な標的リストがすでに浮上している。
マドゥロの拘束後に出されたコメントで、トランプはコロンビアとメキシコに対する露骨な警告を発した。
コロンビア大統領のグスタボ・ペトロは「コカインを作っている。だからヤツは注意しなきゃいけない」と語った。
メキシコ大統領のクラウディア・シェインバウムのことは称賛したが、麻薬カルテルが「メキシコを運営」していると言った。
トランプの周辺では長年、米国がメキシコ国内でメキシコのカルテルに対して武力を行使すべきかどうかをめぐる議論があった。これまでは慎重な見方が優勢だった。
だが、マドゥロを倒した興奮がトランプの計算を変えるかもしれない。
1960年代に米国のレジームチェンジの試みが何度も失敗に終わったキューバの共産主義体制も再び米政府の照準に入っている。
両親がキューバから米国へ移住してきた米国務長官のマルコ・ルビオは同国政府に通告を出し、キューバ政府は「とてつもなく大きな問題」だと発言したうえで、不吉なことに「彼らは窮地に陥っていると思う。我々の将来の対策がどんなものになるか、あなた方には言わない」と付け加えた。
ベネズエラの石油と補助金に依存するようになったキューバ国民にとっては、マドゥロの失脚は間違いなく問題となる。
グリーンランド併合の現実味
そしてグリーンランドの問題がある。
トランプは、デンマークの自治領であるグリーンランドを乗っ取りたい願望を再び強調したばかりだ。
ベネズエラ作戦の直後、大統領次席補佐官のスティーブン・ミラーの妻であるケイティー・ミラーは、星条旗に包まれ、その上に「SOON」という言葉が書かれたグリーンランドの地図を投稿した。
北大西洋条約機構(NATO)の同盟国の領土の一部を併合することは、中南米の権威主義的な指導者を倒すことよりも格段に急進的な一歩となる。
だが、トランプ政権はしばらく前からグリーンランドに対する想定上の攻勢を準備しており、デンマーク人がグリーンランドで失敗を重ねてきたと批判している。
欧州の同盟国に対するトランプ政権のあからさまな軽蔑を考えると、米国による併合の努力は軽視できない。
北京とモスクワでは、こうした出来事すべてが熱心に見守られることになる。
強大な力を持った国とストロングマンと呼ばれる強権的指導者が近隣諸国でおおむね好きに振る舞うことができる世界は、ロシアと中国にとって好都合だ。
トランプ自身も、非公式な勢力圏に世界を分割することが、最近の米国国家安全保障戦略が優先事項として描いたロシアと中国との「戦略的な安定」へのルートになり得ると考えているかもしれない。