日本の安保戦略2:ソフトパワーという抑止力
安全保障にはもう一つ、決定的な次元がある。日本が「壊すには惜しい国」になることである。
それは、世界中から愛される国になるということだ。ヒトラーのナチスドイツですら、占領したパリを破壊しなかった。
中国を含む世界の人々が、「日本の文化を壊すのはあまりにも惜しい」と感じる国であることそのものが、抑止力になる。
ところが現状の日本は、その逆へ進んでいる。
国立劇場の建て替えすら国家予算で賄わず、伝統芸能の火が消えようとしている。
美術館・博物館の予算は削減され、世界的なバレエやオーケストラや舞台芸術の経営は苦しいままだ。
国立大学法人への補助金は下げられ続け、授業料は上がる。研究開発費は削られ、人材は枯渇する。
これは 文化・学術・芸術・教育という国の根本を痩せさせる政策である。本来ここに、より多くの投資を行うべきだ。
それは観光や伝統文化の発信にとどまらず、「日本を大切にされる国にする“安全保障投資”」である。
提言4:文化・学術・芸術・教育を「安全保障予算」として制度化し、人材育成を国家戦略の中心に据えるべきである。
ソフトパワー国債を発行してでも実現すべきだ。