ベネズエラと中東で地政学リスク上昇
米財務省は31日、香港と中国本土に拠点を置く企業4社とこれらに関連する石油タンカー4隻を制裁対象に追加した。ベネズエラの「影の船団」としてマドゥロ大統領の不法な麻薬テロ行為を手助けしているというのが理由だ。
米国が2019年に制裁を発動すると、中国はベネズエラ産原油の輸入をいったん停止したが、2024年2月に再開した。ベネズエラにとって中国への原油売却収入は歳入全体の95%を占めると言われている。
地政学リスクはこれにとどまらない。中東情勢も怪しくなっている。
各種報道によれば、イランの首都テヘランの商店主たちが悪化する経済に抗議したことをきっかけに各地でデモが発生している。イランメディアは「デモ隊と警官隊が衝突し数人が死亡した」と報じている。
背景には、非公式市場で通貨リアルが28日、1ドル=145万リアルと市場最安値を付けるなど、通貨安で食料価格が高騰していることがある。
危機感を覚えたペゼシュキアン大統領は29日、中央銀行総裁を交代させるとともに、先週公表した政府予算案の修正に前向きの姿勢を示すなど、抗議活動の沈静化に躍起になっているが、予断を許さない状況が続いている。
気がかりなのは、イランの舵取りを担う最高指導者ハメネイ師(86歳)のリーダーシップを不安視する論調が出ていることだ。