ボンボンドロップシール(写真:アフロ)
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知っていますか、ボンボンドロップシール。立体感のあるシールで、見た目がキャンディ(ボンボン)やしずく(ドロップ)のようにぷっくり・つやつやしていることから、「ボンボン」「ドロップ」と呼ばれるようになりました。このシールが今、子どもたちや若い女性たちの間で空前の人気となっています。その理由は? 背景には何が? 「ボンボンドロップシール」をやさしく解説します。

フロントラインプレス

「ボンボンドロップシール」とは

 ボンボンドロップシールは、ファンシーグッズ店や文具店、ネットショップなどで売られています。縦20センチ・横10センチ・厚さ1センチ弱のケースの中に10〜25個のシールが入っており、1ケースは400〜550円程度で購入できます。

 特徴的なのは、シールの立体感です。一般的なシールでは厚みをほとんど感じませんが、ボンボンドロップシールには2〜3ミリの厚みがあり、シールに描かれた絵やキャラクター、文字などがぷっくりと丸みを帯びて立体的に浮き上がっています。底部のシール部分と膨らんだ部分の両面に印刷が施されているのも特徴で、膨らんだ部分には樹脂が流し込まれています。光にかざすと、その樹脂部分が美しく光ります。

図:フロントラインプレス作成、写真はXのボンボンドロップシール公式アカウントから

 ボンボンドロップシールが登場したのは、2024年3月のことです。企画・販売はサンスター文具(東京)、製造・開発はクーリア(大阪)。発売から1年半余りで総販売枚数は1000万枚を超え、多くの店舗で品切れ・品薄状態が続いているとされています。

 商品を発案したクーリアの女性デザイナーは「手軽にデコれる透明感と立体感のあるデコパーツを開発したい」という思いで開発に当たったそうです。商品名はチームで話し合いを続けた結果、「見た目があめ玉っぽい、グミのような感じ」をイメージできる言葉を組み合わせてキャッチーなものにしたと明かしています(毎日新聞 2025年11月18日朝刊・東京都内版)。

 ボンボンドロップシールのモチーフには、「キャラクター系」「動物系」「食べ物系」「文字系」など、たくさんの種類があります。なかでも人気が高いのはキャラクターをあしらったシール。サンリオやディズニーのキャラクターに加え、「ちいかわ」「すみっコぐらし」などもラインナップに並んでいます。

 動物系では、定番の犬や猫、パンダが人気のよう。食べ物系ではスイーツやたこ焼きなどが展開されています。文字系はアルファベットやカタカナなどを1文字で1つのシールにしたもので、自分自身や身近な人、気になる人などの名前をつくることができます。さらに、ハロウィンやクリスマスなど季節限定のボンボンドロップシールもそれぞれのシーズンに発売されています。

 種類も豊富で、かわいい。スマホやネイル、手帳などの飾り付けに最適――。そうしたことからZ世代の間で大人気となっているのです。そうはいっても、出荷が追いつかないほどのブームはなぜ生まれたのでしょうか。