「ビックリマンシール」から「文具シールとシール帳」ブーム
シール文化の大波は、ボンボンドロップシールだけではありません。前述したように、日本ではお菓子のオマケなどとして提供されたシールを子どもたちがコレクションしていく文化が早くから生まれていました。
また、シールではありませんが、1970年代初めに販売されたカルビーの「仮面ライダースナック」はオマケの「仮面ライダーカード」が爆発的な人気を呼びました。カード欲しさに商品を大量に買い、スナックは食べずに捨てる行為も多発。大きな社会問題となったほどです。
本格的なシール文化が訪れたのはその数年後、1970年代後半から大ヒットした「ビックリマンシール」が皮切りでした。ビックリマンはロッテのチョコレート・ウエハース菓子で、そのオマケがビックリマンシール。お菓子1袋に1枚から数枚のシールが入っていました。
最初は、いたずら系の「どっきりシール」などをシリーズ化していましたが、1985年の「悪魔VS天使シール」シリーズで大ヒット。1990年代まで続くブームの最盛期には年間で数億個が出荷されたと言われています。スーパーの菓子売り場では長い行列ができ、1人当たりの購入個数が制限されるほどでした。
「悪魔VS天使シール」の大ヒットは、そのストーリー性にあったとされています。悪魔キャラと天使キャラがバトルするスタイルで、シールには1枚ずつキャラクターとその小さな物語が描かれていました。これらに加え、「お守り」キャラのシールもあり、子どもたちはビックリマンシールを使って独自の物語を空想の世界で展開することができたのです。
ビックリマンシールの次にやってきたのが、1990年代初頭に火がついた「文具シールとシール帳」の大ブームです。これを支えたのが、いわゆる「平成女児」。子どもたちはキャラクターや動物、絵文字などのシールを集めては分厚いシール帳を何冊も作り、そして友だち同士で見せ合い、交換していく遊びに熱を入れます。
キーワードは「かわいい」。このブームの中心だった小学生の女児たちが「平成シール文化」を再燃させ、いまのボンボンドロップシール人気をけん引していると言われています。