ボンドロブームの背景に「シール文化」再燃

 ボンボンドロップシールが大人気となった背景には、いくつかの理由がありそうです。

 その1つは昭和から平成にかけて浸透していた「シール文化」の再燃です。昭和の時代、お菓子のオマケや駄菓子屋のくじ引きで定番だったシールは、もともと子どもたちのコレクションの対象でした。そして1990年代末から2000年代初頭にかけ、日本では「シール交換」が大ブームになります。オリジナルのシール帳を使ってシールをコレクションしたうえで、友だち同士で交換していく遊びです。

 このブームを支えた「平成女児」が大人になり、現在のボンボンドロップシール人気をけん引していると言われています。今回のブームでも互いに集めたボンボンドロップシールを見せ合い、交換するケースが急増。友人同士の小さなコミュニティだけでなく、東京や名古屋では文具店などが主催するシール交換会も開かれ、ボンボンドロップシールは中心的存在となっている様子。いわば、平成前期の「シール交換文化」が令和の時代に再燃した格好です。

 立体感・透明感・質感の高さという商品としての魅力、手頃な価格設定、人気キャラクターとのコラボ企画の豊富さ。こうした要素が爆発的人気を支えていますが、SNSの影響も見逃せません。

 ボンボンドロップシールの愛好者たちは、自分たちのシール帳や、シールを使ったスマホの飾り付けを写真に撮り、次々とSNSへ投稿しています。立体感があり、色彩も鮮やかなシールは「SNS映え」するのです。ボンボンドロップシールが開設しているSNSの公式アカウントも大人気。Xでは、フォロワーが19.3万に達し、公式から投稿があると閲覧者は毎回のように100万を大きく超えています。インスタグラムの公式アカウントもフォロワー数は30万に迫る勢い。YouTubeでも、大人の女性たちがシール交換の様子を盛んにアップしています。