有馬連覇を成し遂げた名馬

1970年12月20日、有馬記念を連覇したスピードシンボリ、2着はアカネテンリュウ 写真/共同通信社

 現在、TBSテレビで放送されている競馬の世界を舞台にしたドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』では、12月14日の放送が最終回となります。ロイヤルファミリーという馬名をもつ競走馬が有馬記念に出走し、はたして有終の美を飾るのか、あるいは劇的な別の展開が待っているのか──。

 人と馬、それぞれの「血脈」が大きなテーマになっていて、ここまで一競馬ファンとして楽しませていただいていますが、「ロイヤルファミリーと有馬記念」という2つのキーワードで連想する1頭の名馬がいます。ロイヤルチャレンジャーという種牡馬を父に持ち、1969年と70年の有馬記念を連覇したスピードシンボリです。 

 私が競馬という沼にはまり始めたのは、ちょうどスピードシンボリが有馬記念連覇を成し遂げた1970年からで、通学中の東急池上線の車内ではサラリーマンたちが広げるスポーツ紙の1面に、スピードシンボリやライバルだったアカネテンリュウなどの馬名が大きく掲載されていた頃のことです。あれから半世紀以上経ち、車内でスポーツ紙を読んでいる人は私くらいになってしまいましたが。

 オグリキャップが果たせなかった有馬記念連覇ですが、それを成し遂げた馬は、前出のスピードシンボリのほかに3頭います。

 スピードシンボリの孫にあたるシンボリルドルフ(1984、85)、凱旋門賞2着のエルコンドルパサーと同期のグラスワンダー(1998、99)、馬名にシンボリが付いていてもルドルフとは血のつながらないシンボリクリスエス(2002、03)です。シンボリクリスエスが連覇した2003年から現在まで、21年の間、有馬連覇はなされていません。

 今年連覇に挑む資格があるのは、昨年優勝した牝馬レガレイラです。今年9月のオールカマー(G2)と11月のエリザベス女王杯(G1)をともにレコードで優勝しており、22年ぶりの有馬連覇の偉業が大いに期待されるところです。