300人超の韓国人技術者連行に韓国民が怒り心頭

 ところが9月4日、米国のジョージア州で、韓国の現代自動車とLGエネルギーソリューションの合弁バッテリー工場の建設現場に投入された韓国人技術者ら約300人が米国の移民当局によって不法滞在の疑いで逮捕・拘禁されるという事案が勃発し、韓国社会は大きな衝撃に陥った。

 米政府からの投資要請で現地に工場を建設している韓国企業の従業員に手錠をかけて収容施設へ連行する様子を世界に晒した米政府に対し、多くの韓国人が怒り、韓国メディアからも米政府を非難する声が上がった。

9月4日、ジョージア州にある現代自動車グループのEV用電池工場建設現場で多数の技術者・労働者が摘発・連行された(提供:U.S. Immigration and Customs Enforcement/UPI/アフロ)

 その怒りも冷めやらぬ9月9日、放送記者クラブの討論会に参加した大統領室の金容範(キム・ヨンボム)政策室長が、米国との関税交渉が膠着状態に陥ったことを初めて打ち明けた。金室長は、「3500億ドルのファンドの運用についての了解覚書(MOU)文案をめぐり、韓国と米国の間で数十回交渉を行った」と明らかにしたのである。

 続いて「韓国が外国為替市場で調達できる金額は年に200億~300億ドルを越えることは難しい」「日本は基軸通貨国であるうえに外国為替保有額が韓国より3倍以上多く、米国と無制限通貨スワップも締結した。米国側に(4日に合意文にサインした)日本と韓国の状況の違いについて説得している」と説明した。