韓国の李在明大統領(写真:Yonhap News Agency/共同通信イメージズ)
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 李在明(イ・ジェミョン)韓国大統領の訪日と訪米を控え、駐米韓国大使に康京和(カン・ギョンファ)氏、駐日韓国大使に李赫(イ・ヒョク)氏が内定した。

新駐日大使は「歴史問題に左右されない日韓協力」主張する日本通

 李赫氏は、魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長と親しい間柄で、駐日公使、北東アジア第1課長、アジア太平洋局長を経験してきた日本通として知られており、歴史問題に左右されない日韓協力を主張してきたハト派に分類される人物だ。

 李在明政権発足後の7月初めから、米国や日本、中国、ロシア、国連、フランス、英国など主要国では韓国大使不在の状況が続いていた。前政権で任命された大使を交代させるための手続きに時間が必要だったこともあるが、むしろ適当な人物を見つけられなかったことで、韓国大使不在の時間が長引いていたと言っていい。

 特に米韓関税協定を控えて駐米大使が不在である点は、多くのメディアが懸念を示していたが、8月23日から26日まで予定されている李在明大統領の訪日・訪米を控え、1カ月半ぶりに駐米大使と駐日大使が指名されたのだ。

 駐米大使には康京和元外交部長官が選ばれた。韓国記者は次のように説明する。

「康前長官の抜擢は、文在寅大統領時代に外交部長官を歴任し、トランプ大統領と数回対面したという経験が作用したと言われている。トランプ大統領との首脳会談を控え、トランプ政権とパイプのある康元長官が必要だと判断したのだろう。

第一次トランプ政権時の2019年3月、ワシントンを訪れ、ポンペ国務長官と会談した韓国の康京和外相(写真:Yonhapnews/ニューズコム/共同通信イメージズ)

 また、康元長官と趙顕(チョ・ヒョン)外交部長官との個人的な縁も話題になっている。2人は同じ“延政(世延大学政治学科)ライン”で、康元長官が3年先輩。文在寅政権時代、康元長官が趙顕外交部第2次長(当時)を第1次長へ抜擢したことがあるから、今回はその恩返しかもしれない」