他国の犠牲の上に成り立つ中国の成長
中国の姿勢が世界の国々にとってどれほどの足かせになるかは、ゴールドマン・サックスが2035年における中国の経済規模の予想を先日上方修正したことによく示されていた。
普通であれば、ある国の経済成長はほかのすべての国々に利益をもたらす。需要が増え、消費が増え、機会も増えるからだ。
しかし、このケースでは、中国経済の一段の成長は輸出から生まれ、他国から市場を奪うことになる。
ゴールドマン・サックスによれば最も打撃を受けるのはドイツで、今後数年間にわたって経済成長率が約0.3ポイント押し下げられる。
では、ほかの国とは対等な貿易をしないという意思を隠さない中国に、モノは売るが買わないというその重商主義的な決意に、ほかの国々はどう対応すべきなのか。
優れた解決策は北京側にしかない。
中国経済のデフレを克服すべく行動を起こすこと、国内消費を阻む構造的な障害を取り除くこと、人民元レートの上昇を容認すること、そして工業に対する巨額の補助金や貸付をやめることだ。
これらを実行すれば、中国の人々にとっても良い結果をもたらすだろう。国の競争力を高めるために人々の生活水準が犠牲になっているのが現状だからだ。
ただ諸外国は、それくらいのことは何十年も前からも要求している。どれほどのリップサービスが行われようと、中国共産党中央委員会が決めた新しい五カ年計画の基本方針を一瞥すれば、変化に対するいかなる期待も萎えるはずだ。
消費は最重要項目としてリストアップされてはいるが、序列は3番目。1番目は製造業で、2番目は科学技術だ。