韓国の代表的な株価指数「KOSPI」とウォンの対ドルレート(11月24日、写真:AP/アフロ)
「あの時よりもウォン安だってどういうことなのか?」
最近、米国出張から帰ってきたという韓国大企業の役員はこう嘆いた。韓国ウォンは、非常戒厳令の宣言で政情不安への懸念からウォン安になった1年前よりさらに対ドルで安い水準になっているのだ。
2025年11月25日の対ドルレートは1ドル=1473ウォン前後で推移している。韓国を襲った「IMF(国際通貨基金)危機」と呼ばれた通貨経済危機以来、28年ぶりに1ドル1500ウォン台も間近に迫ってきた。
グアム、サイパンに行かなくなった
韓国の大手紙朝鮮日報(2025年11月22日付)の人気コラムに興味深い内容があった。「往来が消えたグアム、サイパン」というタイトルだ。
グアムとサイパンは韓国人にとってかつて最も人気が高かった海外旅行先だった。
このコラムによると、「2019年の韓国人の訪問者数はグアム74万人、サイパン24万人だったが、2024年には37万人、17万人に急減した」。
今年にはさらに減っているようだ。
「今月初めに釜山を出発してグアムに到着した航空機の乗客は4人、帰りの便は3人だった」という極端な例もあるそうだ。
急変の大きな理由が、「ウォン安」だという。
2017年春には1ドル=1000ウォン前後だったが、じわじわとウォン安になった。特に2025年10月以降、一気にウォン安が進み、1ドル=1400ウォン台が定着している。
