全国町村長大会であいさつする高市早苗首相=11月19日、東京都渋谷区(写真:共同通信社)

薛剣氏自身は「覚悟が出来ていた」ということか

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<勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟が出来ているのか>

 11月8日に薛剣(せつ・けん)駐大阪中国総領事がアップした「X」の投稿は、周知のように「常軌を逸している」と、日本で非難轟轟(ごうごう)となった。

 もう何年も彼がアップするメッセージを読み続けてきた私も、さすがに驚いた。この日には、<京都コンサートホールにて中国最前線のオーケストラと言われる中国深圳交響楽団の公演が行われ、現場に駆けつけて応援した。今後も音楽を通じて中国の友好精神と文化的自信を日本また世界中に届けて頂きたい>などと、「日中友好の現場」を「応援」しているのだ。

 だが同時に、「覚悟が出来ているのか」という結句が気になった。薛剣総領事自身も、文字通り「覚悟が出来ている」からこそ、赴任国(日本)の最高権力者(高市早苗首相)を指して、「汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやる」などと宣(のたも)うたのだろう。

中国の薛剣駐大阪総領事(写真:共同通信社)

 こうした視点から中国を見ていくと、先週中国が発した報道で、気になった記事が二つあった。一つは、中国国営新華社通信が11月19日に発信した<高市“毒苗”はどうやって成長したのか>というタイトルの記事で、以下の通りだ。

<高市早苗という人物は、いったい「どれほど深い闇を抱えているのか」。ひと言で言えば、彼女は安倍晋三という“大樹”に依存して出世してきた政治家であり、外部からは日本の前首相・安倍の「政治的門下生」と見なされている。