おこめ券が米価の下落を防ぎ、むしろ押し上げる可能性
米についても同じ構図がある。政府は去年、米を増産する方針に転換することで供給を増やし価格を下げようとした。だが、高市政権の方針は一変し、増産から減反へと覆った*1。
*1:https://www.sankei.com/article/20251111-2TZ4UI5SGBJ6FNMLDLSQVF5LDA/
供給が増えれば、米価が暴落しかねない、との懸念を鈴木農水相も表明している。増産を取りやめて減反政策に先祖返りするということは、売る量を減らして供給制約状態を作ることを意味する。
その状態でおこめ券を配るというのであれば、需要だけが増えることになる。需要を増やせば、米価はむしろ下がらない。需給が引き締まれば、価格は上昇方向に働く。
また、おこめ券が大量に配られれば、高価格帯の米に手を伸ばす消費者も増えるだろう。店頭に並ぶ高品質米の需要が増えれば、農家は高価格帯の米を作る方にスイッチし、低価格帯の米の生産量、つまり売られる量が減る。そうすると、低価格帯の米の値段も上がり、庶民はさらに苦しむことになる。
政策目的と経済的帰結が食い違う典型例といえる。
では、プレミアム商品券の場合はどうか。