厳罰か更正かで激しい論戦に
被害者の負った心身の傷が長期的・深刻であることが広く認識される中、大学進学段階で加害歴を厳格に反映させることで、再発防止と社会的正義の実現を目指している。
加えて、大学は「人格を備えた学生」の育成という使命を掲げ、教育環境の安全確保という観点からもこの制度に意義を見出している。
この新制度には、インターネットを中心に賛否両論が渦巻く。
賛成派は、「被害者は人生を左右されるほどの苦痛を受けている。加害者が責任を問われるのは当然」「安全なキャンパス環境のためにも必要な措置」と、大学の判断を支持する声が強い。
一方、反対派は、「若年期の過ちを一生背負わせるのはあまりに重い」「更生の機会を奪うことになり、教育の理念から外れるのでは」との懸念を示す。
韓国社会が抱える「厳罰か、更生か」という長年の議論が、大学入試という場で再燃している形だ。
制度強化の背景には、韓国で学校暴力が年々深刻化している実情がある。学暴と認定された件数は、2020年度の2万5903件から2024年度は5万8502件と、たった4年で約2.3倍に増えているのだ。
学暴対策委員会に付された重大案件も、8357件から2万7835件へと急増した。
行政訴訟の件数も右肩上がりだ。学暴認定を不服として加害学生が提訴した件数は2021年度の202件から2024年度444件に、一方、被害学生が被害を訴えた件数は53件から96件へと共に増えている。