1割削減で何が変わる?比例代表50人減案の中身
では、自民・維新が主張する「衆院議員の1割削減」が仮に実現するとしたら、それはどのような形になるのでしょうか。
衆院の議員定数は、現在465人。このうち、1選挙区で当選者1人を選ぶ「小選挙区」が289人、全国を11ブロックに分けて選ぶ「比例代表」が176人です。削減は衆院定数の1割程度とされていますから、小選挙区か比例代表かを問わず、全体で40〜50人減らすことになります。
削減の具体案はまだ自民・維新側から示されていません。しかし、維新は小選挙区には手を付けず、比例代表を50人程度減らす案を示しています。実際、維新の藤田文武共同代表は10月24日の記者会見で「(比例代表を)ばっさりいったらいい。(比例代表の削減が)一番スピーディーだ」と強調しました。仮にこの考えが実現すると、衆院の比例代表は現在の「176人」から50人のマイナスとなり、126人になります。
図表:衆院の各党勢力と比例代表の現行定数(フロントラインプレス作成)
比例代表の削減は、小選挙区よりも比例代表での選出が多い政党、あるいは、そもそも勢力の小さい政党にとって大きな打撃となります。読売新聞の試算によると、現在の国会勢力をもとにして「比例代表50議席削減」が実現した場合、小選挙区も含めた議席の減少率は自民党で9%減、立憲民主党で6%減、維新で13%減でした。
これに対し、比例代表での当選者が多い公明党と共産党はいずれも25%減、参政党と日本保守党はともに67%減という結果になりました(読売新聞2025年10月24日朝刊)。このため、大きな影響を受けそうな各党からは、こぞって反対の声が出ています。