堺ビッグボーイズの練習試合風景(筆者撮影)
歯止めがかからない野球人口の減少
プロ野球、MLBが大きな話題となり、近年、野球人気が再び高まっている印象を持つ人も多いだろうが、実は高校生以下の競技人口は減少の一途をたどっている。
主要な野球団体が発表した、2010年と2025年(小学校[スポーツ少年団]は24年)の小学校、中学校、高等学校のチーム数、男子選手数を比較してみよう。
(筆者作成)
各学校でチーム数、選手数はすべて減少しているが、特に小学校、中学校での選手数の減少が顕著だ。ともに15年間でほぼ半減している。
実は小学校、中学校には「硬式野球クラブ」がある。学校とは別個で、ボーイズリーグ、リトルシニア、ヤングリーグ、ポニーリーグ、フレッシュリーグなどの団体がある。中学では合わせて5万人程度とされる。こちらはここ15年、大きな増減がなかった。
小学校にも硬式野球団体がある。リトルリーグは約4000人、ボーイズリーグ小学部は約8000人とされるが、こちらの減少も深刻だ。
そんな中、大阪府堺市にある堺ビッグボーイズ(登録名は堺中央ボーイズ)は、中学部、小学部ともに多くの選手を集めている。
DeNAの筒香嘉智、オリックスの森友哉などプロで活躍する選手も輩出しているが、ユニークな指導法で、全国から注目されている。
堺試合前のミーティング(筆者撮影)
「関西のボーイズリーグで小学部があるのは18チームしかありません。それでもボーイズが一番多いくらい。選手数も9人ぎりぎりとか、合同チームも多いです。だから関西地区の大会は予選はなくなり、エントリーすれば大会に出場できます。
うちは約60人います。関西のボーイズ小学部では、うちと和歌山県の和歌山橋本Atta Boysが一番大きいですね」
堺ビッグボーイズの瀬野竜之介GMは語る。
2019年、堺ビッグボーイズを訪れた筒香嘉智
ちなみに和歌山橋本Atta Boysは、DeNAの筒香嘉智が故郷に設立。10歳上の兄、筒香裕史氏が運営する。堺ビッグボーイズとは交流がある。いわば「同門」の2つのクラブが、関西の小学校硬式野球では傑出した存在になっている。