写真:beauty_box/イメージマート
健康のためにヨーグルトを食べる人は多いが、実は、日本人にとってヨーグルトを頻繁に摂取することは、逆に腸内環境を悪化させる原因になる可能性があるという。なぜ、ヨーグルトが日本人の体に合わないのか。日本人の体質と腸内細菌の関係から解説する。(JBpress編集部)
(太田華代、腸活コンサルタント)
※本稿は『やってはいけない腸活』(太田華代著・手島麻登里監修、三笠書房)より一部抜粋・再編集したものです。
多くの日本人はヨーグルトや牛乳でお腹を壊す体質をもっている
多くの人が「腸活に良い」と信じて摂りつづけている代表的な食材の一つが、ヨーグルトです。
たしかに、ヨーグルトには、善玉菌の代表格ともいわれる「ビフィズス菌」がたくさん含まれています。
ちなみに、ビフィズス菌の「何が腸に良いのか」というと……
・腸に有害な菌の発生を抑制し、腸内環境を改善する
・免疫細胞を活性化させる
・美容や健康に効くビタミンを生成する
・基礎代謝を向上させ、太りにくい体を作る
など、ざっと挙げただけでも、さまざまなプラスの効果があります。
「これだけポジティブな作用があるなら、やっぱりヨーグルトは食べたほうがいいってこと?」と思われたかもしれませんね。
しかし、実はそんなに単純な話でもないのです。
ここで、日本人とビフィズス菌に関する重要な話をしましょう。
日本人には、「牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする」という人が結構いますね。
牛乳に限らず、同じ「乳製品」に分類されるヨーグルトや生クリームなどでも、同じような症状を起こす人が日本人には多い傾向があります。
欧米人に比べて、日本人はヨーグルトや牛乳などの乳製品でお腹を壊す体質の人が多い(写真:Goskova Tatiana/shutterstock)
ではなぜ、そのような症状が出てしまうのでしょうか。
それは、実は日本人の多くが「乳糖不耐症」といって、乳製品に含まれる「乳糖」を分解する酵素をなかなか作れない体質だからです。
小腸で分解されなかった乳糖は、大腸まで届きます。大腸まで届いた乳糖は、そこでビフィズス菌のエサとなり、ビフィズス菌を活性させます。
そのため、遺伝子レベルで乳糖不耐症傾向にある日本人は、欧米人などと比べて、ビフィズス菌の割合が多い傾向があります。
