乳製品が腸内フローラのバランスを崩す原因に?
体質的な弱点を補うために、ビフィズス菌を発達させてきた日本人。
つまり、乳製品に頼らずに腸内環境を整える遺伝子が、私たち日本人の体には組み込まれているわけです。
にもかかわらず、ヨーグルトのような乳製品を積極的に食べつづけたら、どうなるでしょうか。すでにバランスの取れていた腸内フローラに、むしろチグハグが生じかねません。
特に、乳糖不耐症の症状が強い人であれば、「自分で自分の腸を傷めつけてしまっている」と言っても過言ではないでしょう。
日本人に「乳製品を摂るとお腹を壊す」人が多いのは、まさにそのためなのです。
しかし実際には、「ヨーグルト(乳製品)=腸に良い」という刷り込まれたイメージから、乳製品を積極的に摂っている人が、多いのではないでしょうか。
たしかにそれは、腸内のビフィズス菌量が少ない外国人にとっては、有効な腸活と言えるかもしれません。
ただ、そもそも遺伝的な体質や腸内環境に大きな差がある日本人にとっては、その限りではないのです。
このことを、よくよく胸に刻んでおく必要があります。
日本人の腸から「ビフィズス菌」が減っている
なんと近年、日本人に多いとされてきたビフィズス菌がだんだん減ってきているという報告が出ています。
ビフィズス菌は、食物繊維やオリゴ糖をエサとする特性があり、もともと日本人の食生活と相性が良かったという背景があります。
しかし、日本人の食生活が、肉類などの高脂質・高タンパク質の食材を中心とする欧米スタイルに移り変わったことで、そうした恩恵を受けにくくなってしまったのでしょう。
では、そもそもビフィズス菌は、どのくらい人間の腸内にいるものなのでしょうか。
さまざまな文献をあたってみると、ビフィズス菌の割合が比較的低いといわれる欧米人は、1~5%くらいの間に収まっているようです。
一方、私のクライアントの平均値は5.06%と、「欧米人の最大値」くらいに位置しています。
「なんだ、ビフィズス菌が減っているといっても、それなら大丈夫そうじゃない?」と思われた方もいるかもしれませんね。
しかし、日本人にとっては、この数値でも「十分」とは言えません。というのも、調査結果を「健康状態が良いと感じている」人たちに限れば、ビフィズス菌の割合は6~10%くらいになっているからです。
こうしたことから、日本人にとってビフィズス菌は10%くらいの保有を目指すのが理想だけれど、実際のところはそれに足りていないと推察されます。