ビフィズス菌が多すぎると「便秘」になってしまう

 10%程度にまで増やしたいビフィズス菌ですが、多すぎても問題が生じます。

 具体的には、ビフィズス菌が過度に多いと、かえって便秘になりやすいことがわかっています。

 私のクライアントで調べてみると、データが揃った約6300人のうち248人がビフィズス菌の割合が20%を超えており、その大半の人がお腹の不調を訴えていました。

 先ほどご説明した通り、理想的なビフィズス菌の割合は10%程度。その倍である20%は、さすがに「多すぎる」と言わざるを得ない数値です。

 そうした人たちの腸を詳しく見てみると、約半数の人の腸内に、「プロテオバクテリア」という悪い菌が増えていることがわかりました。

 ビフィズス菌も増えているけれど、悪い菌も増えていて、結果的になかなか腸の調子が整わないという状況に陥っていたわけです。

 これほど極端な数値は、「食事の偏り」だけではなかなか生じません。話を聞くと、ほとんどの人が「ビフィズス菌のサプリメント」を服用していました。

 なかには、ビフィズス菌の割合が56%に達する60代の女性もいました。彼女は日ごろから健康意識が高く、腸内環境を良くしたいという思いからサプリメントを3種も飲んでいました。

 それなのに一向にすっきりと便が出ないため、私のところにやって来たわけです。

 このように「腸内環境を改善したくてビフィズス菌をせっせと摂っていたら、どんどんお腹の調子が悪くなっていた」なんてことが、あちこちで起きているのです。