日米のドラフトで指名可能に

 メジャーのドラフトでは、4年制大学に在籍していても、3年を修了するか21歳以上であれば、指名を受ける資格がある。このため、26年4月に21歳を迎える佐々木選手は、同7月のメジャーのドラフト対象となる。

 メジャー志向が強いとされる佐々木選手だが、産経新聞客員特別記者の植村徹也氏は今年8月のコラム「鬼筆のスポ魂」で、オリックスが昨秋のドラフトで獲得を狙っていたという舞台裏を明かしている。昨年は指名の可否が不透明な点もあったが、NPBはMLBに対して今秋のドラフト指名の可否について確認。メジャーのドラフト対象となる選手は、その前年に日本のドラフトで指名しても問題がないとし、7月の実行委員会でNPBの12球団へ通知した。

 こうした経緯で、佐々木選手は23日の日本のドラフト会議での指名が可能となった。米国の大学に在籍する佐々木選手はプロ志望届の提出が必要なく、現状の意志は不透明だ。ただ、スポーツニッポンの記事によれば、佐々木選手も24年9月の入学前に「2年後以降にNPB、MLB両方のドラフトにかかるチャンスがある。そのレベルに達するように、野球選手としてレベルを上げたい」と話していた。

 日本の球団は佐々木選手の動向を追いかけ、日刊スポーツによると、すでに巨人、ソフトバンク、西武などが米国へスカウトを派遣し、視察を終えているという。

 ただし、佐々木選手を指名しても、佐々木選手が来年も大学でのプレーを続ける以上は、大学でのシーズン終了まで入団を待たなければならない。スポーツ報知は、関係者の話を総合し、佐々木選手が来年2~6月に開催される同大学の公式戦に出場する考えを持っていることを報じている。

 佐々木選手を指名した日本の球団の交渉期限は来年7月まであるが、メジャー球団からもドラフト指名を受けた場合、佐々木選手は日米双方の球団と交渉ができる。佐々木選手がスタンフォード大に残留したり、メジャー球団と契約したりすれば、日本の球団は指名枠を無駄にするリスクも生じる。