8.やりくりしながらミサイル攻撃継続
ウクライナは、ロシアの兵器製造施設を無人機で破壊し続けている。
その効果もあって、ロシアのミサイル攻撃回数は少なくなってきた。
とはいえ、継続的にミサイルを製造し、北朝鮮からもミサイルそのものを導入している。枯渇してしまうことはないようだ。
だが、ロシアが発射するミサイルの種類と割合には、変化が如実に表れている。
ロシアのミサイル攻撃回数が減ってきたとはいえ、爆撃機を頻繁に使えなくなれば地上発射に切り替え、ミサイル製造数が少なくなれば北朝鮮から導入するなど、攻撃は継続している。
しかし、ウクライナの防空兵器により、多数撃墜されてもいる。ロシアは、楽に戦っているのではない。台所事情は苦しい。
9.トマホーク供与について
ロシアは、ウクライナにこれまで1万発以上のミサイルを撃ち込んできた。ウクライナは、欧州から長射程ミサイルを受領してきたが、その数は少ない。
米国は、「トマホーク」ミサイルをウクライナに供与すると言っていたが、実際に供与するには至っていない。
欧州が長距離ミサイルを供与しても、米国はロシア国内に撃ち込んではいけないなどの制約を付けてきた。
米国はこれからも、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領との交渉で、供与や使用に制限や制約をつけるだろう。
米国は、ロシアが1万発ものミサイルをウクライナに撃ち込んでいることを深刻に認識しているのだろうか。
米国は、その1万発の10分の1から10分の3程度を供与しても、ロシアに非難される筋合いはないはずだ。
もし、これだけの量の長距離ミサイルをウクライナに供与すれば、そして、ウクライナがそれをロシアに撃ち込めば、ロシアは戦争を継続することができなくなる。
米欧は、今その決断をすべき時だ。
10.ミサイル供与が同盟国との絆を証明
1万発ものミサイル攻撃を受けたウクライナに、長距離ミサイルを数千発供与することが、同盟国等との強い絆を証明することになる。
もしも、日本が中国やロシアから1万発撃ち込まれ、日本が保有するミサイルが枯渇して、日本が耐えるだけの状況になった時に、米国は中国やロシアを攻撃できるミサイルを日本に供与してくれるだろうか。
米国は、中国やロシアが核兵器の使用をちらつかせたとき、日本を守るためにミサイルを供与してくれるだろうか。
ジョー・バイデン前大統領やトランプ大統領がミサイル供与に難色を示してきたことを考えると、ウクライナと違い日本が米国の同盟国であっても確信は持てない気がするのは私だけだろうか。
供与されたとしても、ウクライナが使用に制限を加えられてきたことを見ていると、たとえ同盟国でもウクライナと同じ運命になってしまわないか、と心配になる。




