手探りの分野はAIエージェントに任せてもよし

——8分もかけてもチケット確保には至らなかったわけですね。まだ要領は良くない印象です。

小林:おっしゃるとおり、現状のAIエージェントは人間のような臨機応変さや直感に欠けています。「この情報を調べるならこのサイトを見るのが早い」といった、我々人間が持っている勘や経験値が欠けています。

 そのため、どのサイトで探せばよいか分かりきっているような用件であれば、最初から人間自身で直接そのサイトを使ったほうが早かったり、あるいはAIに任せるにしても「まず○○の公式サイトを見て」といった一言を指示したりする方が効率的です。

 一方で、自分では全く知らない手探りの調査であれば、最初にAIエージェントに任せてひと通り情報を集めてもらい、そのアウトプットを叩き台として人間が精査するといった使い方が有効です。まったく未知の領域で手がかりがない場合には、AIエージェントにまず調べさせて下地を作ってもらうのは十分に有用だと言えるでしょう。

——エージェントモードは基本的に有料なのですか?

小林:現状ではほとんどが有料プラン限定ですね。なかにはリサーチ系の簡易的なエージェント機能だけを無料ユーザーでも使える場合もあります。

 ただ今回デモで使用したような仮想ブラウザを立ち上げて購入や予約まで実行できる高度なエージェントは、無料では提供されていない状況です。現状フル機能のAIエージェントを使うには有料課金が前提だと考えていいでしょう。

「AIエージェント」に関する経営コンサルタント・小林啓倫さんの解説は、JBpressのYouTube公式チャンネル「INNOCHAN」で順次配信していきます。チャンネル登録をお願いします!