米国と歩調を合わせてきた日本はどうする?

 日本は1973年の第1次オイルショックを契機にアラブ諸国との関係強化を図り、パレスチナ支援にも力を入れてきました。中東を植民地支配した経験がなく、ユダヤ人弾圧にも関与していません。欧米諸国と一線を画した外交政策は、高く評価されてきました。

 しかし1991年の湾岸戦争、2003年のイラク戦争を経て、日本は対米追従を強めています。今回もパレスチナ国家承認の見送りを決めました。米国に配慮したとみられています。

 岩屋毅外相は記者会見で「イスラエルが『2国家解決』実現への道を閉ざす更なる行動を取る場合には、わが国として、新たな対応をとることになる」と述べました。「対応」にはパレスチナ国家承認やイスラエルへの制裁が含まれるということです。

 しかし、どこまでイスラエルの攻撃がエスカレートし、パレスチナ人の命が奪われれば、そのアクションを起こすのか。本当に米国の意向と異なる判断を下せるのか。世界中が注視しています。

フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。