エプスタインとジュフリーさんの亡霊がトランプ政権を揺さぶる
司法省は未成年被害者の個人情報や児童ポルノを含む可能性があるため、追加資料の公開は行わない方針だとトランプ氏に説明した。トランプ氏の名前の言及が「ただちに違法行為を示すものではない」とも付け加えたとされる。
ウォールストリート・ジャーナル紙(7月17日付)は「エプスタイン事件は消えることはない。その亀裂は時とともに拡大していく可能性がある」とトランプ支持層(MAGA、米国を再び偉大に)に走るエプスタイン断層線について指摘している。
これまでトランプ氏を支持してきたポッドキャスト司会者ジョー・ローガン氏はエプスタイン捜査資料を巡るトランプ政権の対応を「彼らはビデオテープを持っているのに突然、それがなくなってしまった」と厳しく批判している。
トランプ氏はエプスタイン騒動を最大野党・民主党の「詐欺」と呼び「私の過去の支持者たちはこの『デタラメ』に飲み込まれている。エプスタイン捜査資料の開示を求める人は恩知らずだ。エプスタイン事件がなぜ人々の関心を引くのか理解できない」と不満を爆発させている。
米国人の7割はトランプ氏が問題を「上手く処理できていない」と考えている。エプスタインとジュフリーさんの亡霊がトランプ政権を激しく揺さぶる。MAGAもトランプ氏がノンエリートの味方ではなく、単に利用するエリートに過ぎないことにようやく気付いたのかもしれない。
【木村正人(きむら まさと)】
在ロンドン国際ジャーナリスト(元産経新聞ロンドン支局長)。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『EU崩壊』『見えない世界戦争 「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。



