メディアのインタビューに臨む自民党総裁の石破首相(中央)。左は菅副総裁、右は森山幹事長=20日午後9時54分、東京・永田町の党本部(写真:共同通信社)
7月20日に投開票された参院選で、自公が過半数割れとなる大敗を喫した。石破首相にとっては、政権の枠組みの再考が必至だ。政界では“禁断のカード”とされてきた「大連立」構想もにわかに現実味を帯びてくる可能性がある。そしてその実現は、これまで石破政権中枢が言及してきた「中選挙区連記制」への衆院選挙制度改革が基軸となる――。立憲民主党の津村啓介衆議院議員と国会議員政策担当秘書・大井赤亥氏が緊急提言する。
(衆議院議員・津村啓介、国会議員政策担当秘書・大井赤亥)
自民大敗、今後の政局3シナリオ
新しい政治パラダイムが始まる。20日に投開票された参議院議員選挙は、自公政権の大敗という衝撃的な事態を現出させた。
この結果は、一義的には野党の勝利といえなくもないが、国民の目により鮮明に映ったのは、参政党をはじめとした新興ポピュリスト政党の勃興であろう。
ここ数年、左右のポピュリズムの台頭が叫ばれて久しく、30年前の「平成の政治改革」が目指した二大政党制というプロジェクトは事実上行き詰まりを見せている。
「日本人ファースト」を掲げる参政党の街宣車=19日午後、東京・新宿(写真:共同通信社)
日本の政党政治は流動期を迎えているが、現実問題として、今後の日本の政局は、次の3つのシナリオのいずれかを選択せざるをえない状況にある。
(1)自公政権の議席減を日本維新の会ないし国民民主党が補完する形での連立拡大
(2)立憲民主党を軸とする野党勢力による政権交代
(3)中長期的課題に関する責任ある政策協定を介した「自公立3党大連立」樹立
参院選の結果を受け、(3)も含めて大きな政権の組み替えが生じる可能性がある。その具体的なシナリオと政策合意のあるべき姿を探ってみたい。
