バカッターは防げるのか

 バカッター事件は他人ごとではありません。どんな職場でもあり得るリスクです。若者が多く働く職場だけでなく、社員の年齢を問わずすべての職場において、もはや無視できないリスクとなったと見るべきでしょう。

 私は4月には毎年いくつかの企業の新入社員研修のご依頼をいただき担当しています。日ごろから学生への指導には慣れていますので、新入社員研修は大学での指導と共有部分が多く、社会人のスタートへのうまいソフトランディングを目指しています。

 新入社員研修においては、どれだけその会社が大きく、世間で一流と呼ばれる企業だとしても、必ずこのネットリテラシーについてしっかり時間を割きます。

 ついうっかりバカッター行為を犯してしまうことによって、人生を棒に振る危険やリスクを説明します。新入社員教育というところが肝心で、一番吸収意欲の高い時期に、今の社会人に欠かせない認識を植え付けることに意味があると思います。

 地味ですが、こうして具体的に実例を挙げて、一つひとつその危険性と罪深さを説明することこそ、最大の対策だと考えます。「言わなくてもわかっているから」「若者の方がITに詳しいから」などと、教育を放棄するのはリスク対策の放棄と同じです。

 特に飲食店や小売店など、アルバイトが主力の職場では、新アルバイトが入店する際、絶対的に欠かせない種類の教育となっています。

 経営者のみなさまにおかれては、「若者は自分より世代的にITに詳しい」という勘違いは、職場を危機にさらすリスクだとご理解下さい。