現在、日本側で対中外交を事実上、取り仕切っているのは、日中友好議員連盟会長も務める森山裕自民党幹事長である。森山幹事長は4月29日、北京で会談した中国共産党序列3位の趙楽際・全国人民代表大会常務委員長(国会議長)に、新たなパンダ貸与をお願いしている。

4月29日、中国共産党序列3位の趙楽際・全人代常務委員長(右)と握手する日中友好議員連盟の森山裕会長(写真:共同通信社)

決定権を持っているのは「あの人」だけ

 私は、6月上旬に森山幹事長にお目にかかった際、この一件を聞いてみた。すると、笑顔でこう答えた。

「趙委員長に、『何とか新たなパンダの貸与をお願いします。日本では毎日パンダを見に来る客もいるんです』と言ったら、趙委員長は『そうなんですか』と驚いていた。そして『前向きに考えます』と仰ってくれた」

 趙委員長の回答も、郭報道官と似ている。つまり、「貸与するのはやぶさかでないが、その時期は自分では決められない」ということだ。では決められるのは誰かと言えば、習近平主席をおいて他にない。