イランはロシアから253万トン、UAEから113万トン、その他の11カ国から339万トンを輸入している(2021)。一方、イスラエルはロシアから80万トン、その他の23カ国から93万トンを輸入している。両国共にロシアからの輸入量が多いが、その他の国からも輸入しており、輸入先は分散している。
肉が重要なイスラエルの食生活
日本語には主食という言葉があるが、欧米には主食という概念がない。主食を英語に翻訳すると“Staple Food”になるが、この言葉が使われることはほとんどない。
前述したようにイスラエルでも同様に主食の概念はない。イスラエルの食生活で小麦と並んで重要な食材があるとすれば、肉である。
図2にイランとイスラエルの一人当たりの肉消費量を示す。参考のために日本の値も示した。

イランの一人当たり肉消費量は日本とほぼ同じ水準にある。イスラエルとは大きな開きがある。この図を見てもイスラエルの食生活において肉が重要であることが分かる。
なお、イランとイスラエルの食肉生産の8割は鶏肉である。牛肉と羊肉も生産されているが、豚肉はほとんど生産されていない。これはイスラム教もユダヤ教も豚肉を食すことを禁じているためである。