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(川島 博之:ベトナム・ビングループ Martial Research & Management 主席経済顧問、元東京大学大学院農学生命科学研究科准教授)

 イランとイスラエルの紛争が拡大し、もはや全面戦争と言ってもよい状態にある。まさに非常時である。そんな両国の食料供給はどうなっているのであろうか。

 両国の食料供給を見ることは、わが国の食料安全保障と食料自給率を議論する際に多いに参考になると思う。

ロシアをはじめ複数の国から小麦を輸入

 イランの主食は小麦である。一方イスラエルの食生活は欧米型であり、主食という概念はない。ただ小麦はパンなどにしてそれなりに食べている。

 図1にイランとイスラエルの小麦の自給率を示す。

図1 イランとイスラエルの小麦自給率
国連食糧農業機関(FAO)データより筆者計算(以下同)