食肉生産に必要な穀物の自給率は?
食肉を生産するには飼料が必要になる。伝統的に大麦やライ麦が飼料として使われてきたが、現在ではトウモロコシが主流になっている。イスラエルの食料供給を考える上では、トウモロコシや大麦を含めた穀物全体の自給率が重要になる。
図3にイランとイスラエルの穀物自給率を示す。

イラン、イスラエル共に穀物自給率は時間とともに低下している。2022年の自給率はイランが53%、イスラエルは39%に過ぎなかった。計算の方法は異なるが、イスラエルの穀物自給率は日本のカロリーベースの食料自給率とほぼ同じ水準にある。
イランとイスラエルの食料自給率のあり方はわが国によく似ている。小麦の自給率は比較的高いが、食肉生産に必要な飼料の自給率は低い。
イスラエルと日本は農地が少ないために飼料を自給することは難しい。だがイランは広い農地を有するために、飼料を自給しようと思えば自給できる。しかし安い飼料を輸入できるために、無理に自給しようとはしていない。