ちなみにこの「STEAM」は先ほどの科学(Science)技術(Technology)技術(Engineering)にアート(Art)と数理(Mathematics)を加えた代物ですが、「STEM」同様、人文系社会系が欠如しています。
こういう風潮で「メディア・アーティスト」などとして売り出され、極端な低見識でいろいろ問題を起こしているケースを直ちに複数想起するのは、「東京大学大学院情報学環」という、その手の旗振り役に化けてしまった部署に所属しているためです。
「STEAM」=法も倫理も、経済も思想も歴史も無関係な小細工と、あえて断じる必要があるとは、元ミュンヘン工科大学ミュンヘン社会技術センターのクラウス・マインツァー教授の言です。
2015年時点で「ナチスのホロコーストの事実に対して、何が言えるか? 何も言えない教育など、教育の名に値しない」として米国産の「STEM」も「STEAM」も斬り捨てられましたが、2022年に生成AI「チャットGPT」の自働プログラミングが普及すると、そういう「人文」「社会」「法」「経済」の分別に欠けると判断されたSEが、GAFAを筆頭に大量解雇されたのは、記憶に新しいところでしょう。
「人文」が欠如ということは、文学も詩情も無縁で、「社会」音痴ということは、法も経済も倫理もルールも知らない。
そういう「情報システム」「メディア・アート」なぞ最低最悪です。
私自身、そういう大学機関に身を置いていますから、徹底してカッチリとケジメをつけるようにしています。倫理なきAIシステムは組織を簡単に滅ぼします。
でも、「教育が悪い」からこういう人が出てくる、と言うのではありません。
「こういう人が絶対に出てこないような教育・人材育成」を徹底する必要が、例えば大学の「情報基盤センター」にはある「はず」なのです。
ところが、そこに長年勤務していたのが、こういう人物だったという、まさに「事実は小説より奇」の典型になっています。
ネット上で広く顧客を募った「富山メンズエステKOMOREBI」の集客システムは、まさに「法も経済も倫理もルールを知らない、遵守しない人間が作った情報システム」そのもので、因果応報としか言いようがありません。
もし2025年時点、いまだ「STEAM」教育などと主張できる人が残っていれば、それは「技術先行で法も倫理もどうでもいい教育」を推進しているのと同じことになる。
つまり、「ネットワークの小手先が器用なら、保健所のチェックも入らない無許可風俗店(ちなみにその経営者は「大麻20グラム所持」で再逮捕されたそうです)の情報をネットワーク上にばらまき、そこから現金収入を得て、いったい何が悪いの?」と開き直るような人材を生み出しかねない。
この事実を直視、深刻に反省する必要を指摘せねばなりません。
「無教養」を生み出すSTEM教育、STEAM教育は、「無知」以上に「無恥」、恥じることを知らないテクノクラートを量産しかねません。
古くは1930年代ドイツの技術者育成にも指摘された、こうした倫理を問い直さないわけにはいかない、ある転機を与えるような「富山大学准教授・不法『メンズエステ』経営事件」の報でありました。