2025年大阪・関西万博、写真:Alamy/アフロ

 唇寒し、秋の風・・・と昔の人なら言ったことでしょう。

 大阪万博の「ウォータープラザ」の水辺を中心に、大屋根リングやパビリオン周辺に大量の「ユスリカ」が発生。

 事前に把握していなかった主催者側は、大阪で創業した殺虫剤メーカー、アース製薬に協力要請して、大規模な虫の駆除に当たるというのです。

 大阪万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマだったはず。

「ユスリカ」特段、害虫ではありません。ただ、場合により人が吸い込んだりするとアレルギー症状を引き起こす場合がある「かもしれない」、あとは「気持ち悪い」とかそんな理由で昆虫の大量殺害、駆除を指示。

 それで何が「いのち輝く」のでしょうか?

 ナチス・ドイツも「健康」や「自然」をアピールして、実際はああだったという歴史を想起してしまいました。

 こうした現実を直視しつつ5月25日(日曜日)、東京都美術館講堂で、山本理顕さんなどをパネリストに迎えてシンポジウムを開催します。

 入場料は取りません。ただ事前登録が必要ですので、ご興味の方はどうぞアクセスしていただけたらと思います。

 このシンポジウムでは万博について正面から取り上げるつもりはありませんが、「諫早湾干拓」に比較すべき失敗公共事業の典型、ならびに赤字はどうするのか、といった議論は出てくると思います。

 また、今回の万博でアイコンとして名前が出ている、多くは2010年代に「ロールモデル」として登場したタレントについては、その実態について厳しく一刀両断していくつもりです。

 そうした時事テーマを踏まえつつ、シンポジウムでは未来に向けて意味ある教育の問題などを扱う念頭です。

 特に、昨今の「情報」を巡る混乱は看過しがたく、私も創設に加わった(そして20年ほど学内政争で干されていた)東京大学大学院学際情報学府も、非常に罪深いことをしていると思いますので、そうした「本当の内情」も、はっきり社会発信していきたいと考えています。