生成AI以降の創造戦略

 シンポジウムは5月24日の午前中と25日の午後に行いますが、それ以前に5月20~27日にかけて、恒例の伊東研ラボ展を開催しています。

 いずれも入場は無料ですが、消防法などコンプライアンス、安全確保の観点から事前登録をお願いしています。

 今回の展示は、パネルなどには記しませんでしたが、私の母方の(母の)大叔父、書家・歌人・国文学者の尾上柴舟と、彼の創作上のパートナー、川合玉堂さん、川合さんと俳句を通じて親しかった、洋画から転じた日本画家、川端龍子さんなどの仕事に触れながら、私自身が教室で教えた、東海大学付属菅生高等学校中等部、全200余人の子供たちがAIに作らせた俳句から編集した俳句と、それをAIに英訳させた「英語俳句」、さらに、それらに寄せてビジュアルをやはりAI生成させ「詩画書」一体の一新具足として出力した作品200余点を、壁全面に配した「歌留多尽くし」の趣向から、お楽しみいただけたらと思っています。

中学生200人の「日英俳句俳画」作品「歌留多尽くし」

 尾上の叔父は1957年に物故しており、1965年生まれの私は面識がありません。しかし私の母(姪)は彼に手を取ってお習字の指導を受けており、私も母からそれを習っていますので、何が大事かは分かっています。

 ポイントは何か? 

「呼吸」にあるのです。

 会場には東京大学伊東研究室が広島国際大学・石原研究室と共同開発し、香川県の情報ベンチャー、ダイナックスTと製品化を進めている「ARペン」システムを体験していただけますが、これは「呼吸」の指導があって本当に生きるものとして作っています。

 会場内には、昨年の2~3学期、東海大学付属菅生高等学校中等部の全校生徒200人に実施した「AI STREAMM」カリキュラムの最終成果作品200余点と、公益財団法人・理数教育研究所が出している小中高校生が算数・数学を活用して行う自由研究「塩野直道賞」受賞作品の中から、私が感心したものを選んでパネルとして壁一面に展示してあります。

 その配置はランダムで、正確には乱数を用いてシミュレーションを行い、それに基づいて会場設営を行ったもので、菅生中等部で私とともに授業を担当し、一人ひとり愛情をもって指導したDynaxT社の平岩優里さん(中学高校の数学と情報の教員免許をお持ちです)がシミュレーションも担当しました。

 古くから着物の柄や帯地などにも用いられる「歌留多尽くし」を、開場の壁いちめんにあしらったものですが、このようにした背景には理由があります。