今後の展望とビジネスモデルへの示唆

 野口氏と石川氏は、今後活動をどこまで広げていくかについては、慎重に判断していく意向です。

 彼らの活動は、まさに社名のビジョン・コネクトの名の通り「人の志を育み、社会へ繋ぐ」新しいモデルと言えるでしょう。

 外部環境が時々刻々と変化する中で、人生の各フェーズで様々な困難が待ち受けています。

 大学への進学や会社生活での中の挫折など、各人によって困難は様々かと思います。

 そうした中で大切なのは「個」を深く考えていくことだと彼らは言います。

 日本の教育においては知識をインプットしていくことに比重が置かれがちですが、「個性」を自ら見つめ直し、その可能性を広げていくことが「志」に繋がっていくのです。

「志」があれば、次の一歩を踏み出すことができます。

 たとえ少数精鋭であったとしても「志」を持つ仲間が増え、数珠つなぎで「志」が広がって行けば、いずれ社会全体の変革につながる可能性があります。

 彼らの「エンターテインメントの形をした新たな教育」が知らず知らずのうちに学生の「心を躍らせ」、各人の「志を引き出す」ことで、新しいエネルギーが生まれています。

 それは個々の生き方を見つめ直すきっかけにもなり、新しいことにチャレンジしていく原動力にもなっています。

 その力が、これからの日本社会をリードしていくことになれば、こんなに喜ばしいことはない、と彼らは言います。

 彼らはまた、企業とアカデミアの領域をつなげる役割を担っています。

 日本社会において学校で学んだことが、必ずしもビジネスに活かされるわけではありません。

 ビジネスのフィールドにいる彼らと接しながら、自分が何をしたいのか、どこに向かって進んでいくべきなのかを、自ら考えることは学生にとっても重要な機会となっていると感じます。

 このインタビューでは、大手企業という安定した基盤を持ちながらも、ご自身の内なる情熱と社会貢献への強い思いを原動力に、新たなキャリアパスを切り拓いてきた2人の姿を描いてきました。

 彼らの経験は、現代社会において多様な働き方を模索する多くの人々にとって、示唆に富むものとなるでしょう。

 会社で培ったものを副業にするのではなく、やりたい仕事を会社に求め、その延長線上で起業するというのも珍しいことです。

 好きこそものの上手なれではなくですが、やはり好きなことは情熱が入ります。