ちなみに、ベネッセアートサイト直島における安藤忠雄設計による「9番⽬」のアート施設は、2022年3月に開館した「ヴァレーギャラリー」。規模は小さいが、こちらも実に安藤氏らしい建築だ。

「ヴァレーギャラリー」。2022年3月に撮影(写真:宮沢洋)

 安藤氏はこの建築について、「原点に立ち返るために、光をテーマにした」と語る。「原点」というのは、安藤氏が若き日に見たローマのパンテオンを指している。

(写真:宮沢洋)
草間彌生「ナルシスの庭」(写真:宮沢洋)
(写真:宮沢洋)

 近年は海外でのプロジェクトが多い安藤氏だが、今年は7月に坂の上の雲ミュージアムに増築される形で「こども本の森 松山」がオープンするなど、建築界の話題の中心になりそうだ。

◎本稿は、建築ネットマガジン「BUNGA NET」に掲載された記事を転載したものです。