もしトランプが北朝鮮の核保有を認めたら…
――日本での李在明氏のもう一つのニックネームが、「韓国のトランプ」だ。米韓関係はどうなっていくか?
「たしかに両雄には似たところがある。それは、どちらのリーダーもじっとしていられないタイプだということだ。
李在明新大統領が誕生したら、まずはワシントンへ行ってトランプ政権との貿易交渉に臨むだろう。韓国は25%もの相互関税を言い渡されているが、これまで政府が機能していなかったため、交渉が進んでいないからだ。

加えて、韓米同盟の問題だ。トランプ大統領は、戦時作戦統制権を韓国に引き渡そうとしている。戦時作戦統制権は、有事の際には韓国軍の指揮権を、連合司令官(在韓米軍司令官)に委ねるという韓国(朝鮮)戦争時代から続く取り決めだ。アメリカの報道を見ると、トランプ大統領は、この権利を韓国に引き渡す代わりに、現在約2万8000人いる在韓米軍のうち、約4800人を本国に帰還させる意向だという」
――私がトランプ大統領の北朝鮮政策で最も懸念するのは、トランプ大統領が北朝鮮の核開発に無関心なのではということだ。
「まさにそこが問題で、トランプ大統領はもしかしたら、北朝鮮の核保有を容認するかもしれない。そうした中で、戦時作戦統制権の韓国への引き渡し、在韓米軍縮小などが現実化していけば、韓国は自国で核兵器を保有するしか道はなくなるだろう」