金正恩は簡単に韓国の誘いに乗ってこない
――李新政権になると、北朝鮮に対する外交スタンスは、どう変わるか? 文在寅(ムン・ジェイン)政権時のような「北朝鮮ベッタリ外交」が復活するのか?
「基本的には、尹錫悦前政権の時のような北朝鮮と敵対するような姿勢は見せない。そうではなくて、文在寅元政権の時のように、『北朝鮮は同胞である』との考えに基づき、接近を試みるだろう。韓国が橋渡しをする形で、4回目のドナルド・トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の首脳会談をサポートしようとするに違いない」
――韓国に「親北政権」が誕生したからと言って、北朝鮮は容易に誘いに乗ってくるだろうか? 文在寅元政権の時も、北朝鮮が韓国側の呼びかけに応えるまでに半年以上を要した。
「それは、しばらくは様子見するだろう。北朝鮮が文在寅政権の誘いに乗ったのは、米トランプ政権との緊張が高まっていたのと、平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックというビッグイベントが控えていたからだ。
基本的に北朝鮮は、韓国と対話すればするほど、韓国の成長ぶりと自国の退廃ぶりが際立ち、自壊していく。だから李在明政権の呼びかけを、しばらくは無視するものと思われる」
――日本では李在明氏は「反日モンスター」と呼ばれているが、文在寅政権の時のような「悪夢の日韓関係」が復活するのか?
「それは違う。李在明外交とは、実用外交だ。日本とも付き合って利があると思えば、実用的に付き合う。それに、韓国・アメリカ・日本の3カ国の枠組みを壊すようなことはしないだろう。
いまの韓国の若者たちは、非常に親日だ。日本で韓ドラやK-POPのブームが起こっていることも、韓国で報道されている。そうした流れを李在明新大統領が断ち切るとは思えない」