英紙「中国当局が台湾への奇襲攻撃能力を向上させる」

 習氏が27年までに台湾侵攻の準備を整えるよう命じたと米軍が評価する中、英紙フィナンシャル・タイムズ(5月26日付)は「中国当局が台湾への奇襲攻撃能力を向上させる。軍備増強により北京は平時から戦時作戦への迅速な移行が可能」と報じている。

 米台当局者や専門家の話として「中国は航空作戦の迅速化、新型砲兵システム、水陸両用・空襲部隊により台湾への奇襲攻撃能力を強化した。台湾侵攻に関与する中国の空軍・ミサイル部隊は平時からいつでも作戦行動に移行できるレベルまで強化された」とFT紙は伝えている。

 人民解放軍の作戦行動には(1)台湾侵攻に出撃する港付近での水陸両用部隊の継続的な訓練(2)台湾への空挺降下を行う陸軍航空部隊の常時待機(3)台湾のあらゆる場所を攻撃可能な新型ロケットシステム――が含まれるようになったという。

 米軍のサミュエル・パパロ・インド太平洋軍司令官は今年2月「中国は危険な道を歩んでいる」と台湾周辺における軍事活動のエスカレートに強い懸念を表明。軍事演習の規模と頻度が台湾への実際の攻撃準備を隠蔽する見せかけとして機能しかねない水準に達していると警告した。