厚生年金の保険料と年金額 元が取れるのは何年?

 厚生年金からもらえる老齢年金を老齢厚生年金といいます。厚生年金の保険料や受給額は、毎月4〜6月の給与の平均額(報酬月額)から算出する「標準報酬月額」によって決まります。つまり、給与の額によって保険料や受給額が変わります。

 ここでは、
・月収(標準報酬月額)30万円
・22歳(社会人)から65歳までの43年間働いた
 と仮定して計算します。

 月収30万円の場合の厚生年金保険料の自己負担額は月2万7450円です。なお、厚生年金保険料の中には国民年金保険料分も含まれているため、この金額を負担するだけで国民年金保険料も全額払っていることになります。会社員や公務員は国民年金と厚生年金の両方から老齢年金をもらうことができます。

 22歳から65歳までの43年間、月収30万円で働いた場合の厚生年金保険料は2万7450円×12か月×43年間=1416万4200円です。

 老齢厚生年金額は「平均標準報酬月額×給付乗率(0.005481)×加入月数」で計算します。

 仮に22歳から65歳までの43年間、月収30万円で働いた場合に65歳からもらえる老齢厚生年金の年額は30万円×0.005481×516月=84万8458円となります。

 65歳から90歳までの25年間だと、老齢厚生年金の金額は84万8458円×25年=2121万1450円です。加えて、老齢基礎年金(25年間)2079万2500円がもらえます。

厚生年金保険料総額(43年間): 1416万4200円
基礎年金+厚生年金(25年間):2079万2500円+2121万1450円=4200万3950円

 受け取れる年金額は払った保険料の約3倍となり、老齢基礎年金だけの場合よりもっと得です。

「基礎年金+厚生年金」を65歳から受け取り、その後何年受け取れば、支払った年金保険料の元が取れるのかという計算は、「厚生年金保険料合計÷1年間の年金額」で求めることができます。

 1416万4200円÷(83万1700円+84万8458円)=8.430…

 よって、約8年半受け取れば元を取れるということです。

 老齢厚生年金が受け取れる場合の元を取れる年数は、保険料、年金額、加入月数など人によって変わりますので、上記はあくまでも参考としてご確認ください。

 ところで、厚生労働省「令和5年簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.14歳となっています。また、65歳の平均余命は男性19.52年、女性24.38年です。65歳から年金を受給して元が取れる可能性は高いことがわかります。

 賦課方式であることに感謝しなくてはなりませんね。

 それはつまり、現役世代に感謝をしなければならないということです。