「基本的に実施しなければならない認識」
共同通信の報道時点では、マニュアルの存在については情報があいまいだったが、「1日3回の訪問看護を必ずせよ」ではなく、「やったら、必ず記載せよ」などと、記述を求める内容になっていたのは、組織ぐるみの不正請求と断定されないためには重要な要素となる。
しかし、報告書は「各施設の施設長や看護師等の多くにおいて、サンウェルズでは、1日3回及び複数名訪問を必須で実施しなければならない、あるいは、基本的に実施しなければならないとの認識が形成されていることが確認された」と説明している。
なお、2024年7月の改訂版で、赤枠・赤字の「必須で記載。」という点が削除され、「1日3回、週7日訪問」に黄色いハイライトが付く形になったという。同年の年初から不正請求報道を受けて、運用方針が変更された可能性があると推察される。(後編に続く)
【参考文献】
◎特別調査委員会の調査報告書の受領に関するお知らせ
◎特掲診療料の施設基準等
◎特定医療費(指定難病)受給者証所持者数
◎パーキンソン病(指定難病6)(難病情報センター)
星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表取締役/編集者 獣医師
東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPにおいて「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。獣医師。
ステラ・メディックス:専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修をサポートしている。また、医療情報に関するエビデンスをまとめたSTELLANEWS.LIFEも運営している。
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