ちなみに鶴田のジャンピング・ニーパットは日本のキックボクシング黎明期のスーパースターである〝キックの鬼〟沢村忠の必殺技・真空飛び膝蹴りをヒントに、ドロップキックと並ぶ飛び技として考案したオリジナル技だという。
「ショートレンジのバックドロップに巧く受け身を取るあたりはいいセンスしているし、レスリング力もあるし、体も柔らかい。ワインと一緒で、あと2~3年寝かせたら、凄いレスラーになると思いますよ」と、鶴田は余裕のコメントだった。
では、谷津の鶴田観はどのようなものか?
「ジャンボはプロレスが巧かったから〝こいつ、駄目だな〟と思ったら、まともに相手にしないっていうか、馬鹿にしちゃう。大げさな受け身を取ったりとか、試合を流しちゃうタイプだな。新日本の感覚で向かっていくと〝それで俺に敵うの?〟って、あからさまに嫌々付き合うような試合をするんですよ(苦笑)。本気で向き合わない。力を6分ぐらいに抑えちゃうの。実際、ジャンボのプロレス的な体力には敵わないよ。呼吸の仕方、休み方、攻め方……巧いよね。ジャンボといい試合をやるためには、彼に付いていきつつ、自分を発揮していく術がないと駄目だね。基本的にはジャンボには相手を引き出そうという部分はないから。俺としては天龍さんの方がやりやすかったな。ジャンボは、プロレスは巧かったかもしれないけど、表現力では天龍さんの方が上だったと思うよ」
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