同年6月17日、ダラスのリユニオン・アリーナで『WCCWスターウォーズ1983』というビッグマッチが開催され、谷津はトラ・ヤツとしてマイク・ボンド、マネージャーのアーマン・ハッサンと組んでキマラとのハンディキャップマッチに出場。この大会には馬場、鶴田、天龍も参加して、馬場はキングコング・バンディとPWFヘビー級王座防衛戦、鶴田はテッド・デビアスとUNヘビー級王座防衛戦、天龍はジョニー・マンテルとシングルマッチを行っている。
「フロリダでは桜田(一男=ケンドー・ナガサキ)さん、渕(正信)さんと一緒だったし、マツダさんとルイジアナにいた時にカブキさんに誘ってもらってダラスに行って。カブキさんと組んでいたマジック・ドラゴン……ハル(薗田)ちゃんとはリング上では敵でもよく遊んだなあ。全日本の人たちはみんないい人たちなんですよ、苦労してるから。だから全日本に上がる分には、全然違和感はなかったな。馬場さんにもダラスで会ってるから、全日本に上がることになって挨拶したら〝おお、お前か〟って感じで。まさか2年も経たないうちにお世話になるとは思わなかったよね(苦笑)」(谷津)
ダラスで馬場、鶴田、天龍と会った時には馬場の計らいで高級ホテルに鶴田とツインルームに泊めさせてもらったという。
「あの時はジャンボと朝まで喋っていたんだけど〝猪木さんとはやりたくないな。多分、猪木さんとやっても長い試合はできないと思うし、噛み合わないでしょう〟みたいなことを言っていた。あとは〝プロレスラーはひたち(相撲用語で見栄っ張りのこと)が多いけど、谷津ちゃんは自分のペースで行った方がいいよ〟とか〝ひたちにならないでちゃんと金を残しなよ。年老いたらおしまいなんだから〟って教えてもらった。結局、俺はジャンボが言っていたことを守れなかったけど、彼の言っていたことは間違いじゃなかったなと思うよ」と、谷津は思い出を語る。
