JALをわずか2年で再建させた稲盛和夫氏を意識?
もっとも、フジテレビは本当に変わることができるのか。
北尾氏はフジテレビが再び輝きを取り戻すには、「意識改革」「人事・組織改革」「ビジネスモデル改革」の3つの改革が不可欠だと指摘する。しかしメディアの王様として君臨したテレビ局の、しかもかつては視聴率三冠王の座を思うままにしていたフジテレビを改革することは生半可なことではない。
恐らく北尾氏は、京セラ創業者の稲盛和夫氏を意識している。稲盛氏は経営破綻したJALに78歳で会長として乗り込んで稲盛フィロソフィーを植え付け、わずか2年でJALを再建させた。
北尾氏は現在74歳。まもなく後期高齢者となるが、頭も身体も問題ないと会見でも語っていた。JALの場合は、事実上の倒産のため、社員も組織も変わらざるを得なかった。しかしFMHは曲がりなりにも利益が出ている。社員の抵抗も間違いなくJALよりも大きい。だからこそやりがいがあると北尾氏は考えているに違いない。
