Apple Intelligenceで巻き返し
アップルは2024年10月下旬、Apple Intelligenceの提供を英語圏で開始した。日本でも設定言語を英語にすれば利用できる。2025年4月には、日本語を含む他の言語に対応する予定だ。今後、iOSソフトウエアのアップデートを通じて利用できる言語を増やしてiPhone 16シリーズの需要を喚起する狙いだ。
ただ、アップルは最近、中国市場で競合にシェアを奪われている。中国政府は国内で提供される情報に対して厳格な検閲を行っており、AIも例外ではない。中国ではChatGPTなどの国外の生成AIが禁止されており、アップルもApple Intelligenceを展開できていないという状況だ。こうした中、同社は中国アリババ集団などの地場IT(情報技術)大手との協業を通じて、中国政府の検閲要求に対応する体制を構築している。
米ブルームバーグ通信によると、アップルは、中国と米国に複数のチームを置き、Apple Intelligenceを中国に適応させる作業を進めている。これより、2025年後半にもAI機能の承認を得たい考えだ。
開発者との連携強化が急務
今回、Siriの進化の減速が明らかになったことで、アップルのAI戦略における課題が浮き彫りになったと指摘されている。同社は、次世代Siriの実現に向け、アプリ開発者向けの支援強化を図っている。開発者は、次世代Siriが自社アプリ内の機能を利用できるようにするためのコードを作成できるようになった。
しかし現状、開発者はアップルがアップグレード版Siriのベータ版をリリースするまで、それがSiriとどのように協調動作するのか、具体的な確認ができない状況にある。アップルには、開発体制の強化や、開発者との一層の連携強化が求められそうだ。