北斎の画力の高さを知る

©Ars Techne.corp 原作品所蔵元:山梨県立博物館

 会場の最後に設置された「北斎の部屋」では《神奈川沖浪裏》や《山下白雨》といった『冨嶽三十六景』の人気作が登場。北斎が目にしたと思われる海景をリアルな高精細映像で再現。そのリアルな映像が《神奈川沖浪裏》へと変化していく。北斎の「一瞬の風景を切り取る画力」を目の当たりにしているようで、興味深く鑑賞できた。

 鑑賞を終えての率直な感想は、「日本の技術力はすごい」。海外制作のイマーシブ展ももちろん見ごたえがあるが、地面の揺れ具合や風が肌をなでる感触の再現には驚かされるばかり。細かなところに対する日本人の「仕事」は世界を制するクオリティだろう。

 日本人に見てほしい。日本を訪れた外国人旅行者にも足を運んでほしい。日本の文化と魅力を存分に伝えられる展覧会だと感じた。

 

「HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO」
会期:開催中~2025年6月1日(日)
会場:東急プラザ渋谷 
開館時間:11:00~20:00
休館日:年末年始
お問い合わせ:03-3464-8109

https://hokusai.anotherstory.world/